ビジネスにおいてクラウドサービスの利用は今や当たり前となっています。DropboxやMicrosoft 365、Google Workspaceなど、多くの企業がこれらのサービスを活用していますが、コストを節約するためにアカウントを共有している事例が少なくありません。しかし、この「共同利用」が思わぬトラブルや法的問題を引き起こす可能性があることをご存知でしょうか?
まず大前提として、ほとんどのクラウドサービスでは利用規約で1アカウントを複数人で共有することを明確に禁止しています。これはライセンス違反であり、発覚した場合は以下のようなリスクがあります:
特に企業規模が大きくなるほど、このようなコンプライアンス違反は重大な問題となります。新規上場(IPO)を目指しているような企業様は絶対に避けるべきなのが、ライセンス違反なのです。

クラウドの便利さはクラウドの危険を表裏一体なのです
A社では会社全員で10名ほどですが、最低の3ライセンスしかライセンスを手配せず、Dropboxアカウントを共有していました。ある日、一人のスタッフが大量のファイルをアップロードしたところ、他の4名のPCでも同期が始まり、数10GB分のデータが各PCにダウンロードされました。これにより社内ネットワークが圧迫され、その日の作業効率が大幅に低下。さらに一部のPCではディスク容量不足のアラートが表示され、通常業務が停止する事態となりました。
C社では複数の部署でDropboxアカウントを共有を共有していました。退職者がいてもパスワード変更をしていなかったため、退職後もアクセスが可能な状態が続き、社外から機密情報が閲覧されるというセキュリティインシデントが発生しました。
B社の営業チームでは、Microsoft OneDriveのアカウントを共有していました。あるメンバーがフォルダを整理しようと古いファイルを削除したところ、他のメンバーが必要としていた重要な提案書までもが削除されてしまいました。復元作業に時間を取られ仕事に支障をきたす結果となりました。
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共用アカウントの最大の問題はパスワードの管理
退職者が出たら共用パスワードを変更するルールを守っている企業を実は見たことがありません。多くの場合退職者が退職後も自由にファイルが閲覧できるになっています。
この恐ろしい事態を経営者は本当に気が付いているでしょうか?
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このような問題を避けるためには、以下の対策を検討しましょう: